「自分を知る」セルフチェック~脈をみてみよう。
みなさんの中には、毎朝血圧をはかっているという方も多いと思います。
また、病院や健診に行くと必ず置いてあるのが血圧計、そして、130/80 70
というように最高血圧(収縮期)、最低血圧(拡張期)と脈拍が表示されます。
この脈拍についてですが、自分でも簡単に計れますし、ある程度カラダの状態も把握でき、
私たちが行うはり灸治療においては重要な情報になります。
はかり方は簡単、手首の内側の親指側、手首のシワのところからタテに片方の指三本(人差し、中、薬指)
をあてて時計をみながら一分間で何回だったか?(15秒ではかって×4倍で計算してもいいです。)
一つ大事なのは、安静時にはかることです。何かをしながらのついでだったり、動いていた後すぐや、
入浴後、もちろん飲酒時はだめです。
だいたいの正常値(個人差あります)
新生児 130~140
幼児 110~120
子ども 80~90
大人(男)65~75
大人(女)70~80
高齢者 60~70
普段から自分の平均値をみておくといいでしょう。
脈拍が100回を超えた場合を頻脈といいます。この数値だと「脈が早い」という状態です。
脈拍が早い原因として考えられるのは、交感神経の働きが優位になっている事が考えられます。
いわゆる「緊張している場面」や「興奮している状態」のときに心拍数は高くなります。
心臓が急いで血液を送っている状態で、何か原因があるはずです。
脈拍が60回未満の場合は除脈といいます。
副交感神経の状態が優位になっていると脈拍数は少なくなります。
就寝中や起床時はリラックス状態などは、脈拍数は少ない状態です。
また、日常的にマラソンなどの長距離などの全身持久力を必要とする競技をしている人は
心肺能力が高く平均して脈拍が遅いと言われます。
急に遅くなったとしたら、心臓がちゃんと送れていない状態にあるか、何か妨げとなっている原因がある。
また、よーくみて頂くと時々脈が抜けたり数秒止まったりする方もいると思います。
そういう方は、不整脈や細動(心臓の異常)の可能性があるので、注意が必要です。
なかには、ホルター心電図といって24時間計測した経験のある方もいるでしょう。
と、ここまでが一般的な脈の見方、私たち鍼灸師はさらに細かく診ていきます。
非常に感覚的な表現で申し訳ないのですが、強弱や深さ、太さや流れやリズムを診ていきます。
また、はかる指の抑える場所ごとにカラダのどこに問題がありそうか探っていきます。
今は、病院で検査機器が備わっていてすぐに異常はわかりますが、何百年何千年も前は機械なんかありませんから
こうやって、脈や舌や顔色、お腹などを診ながら体の不調を探っていたのでしょう。
逆に言うと検査で異常はなくても体の不調をがあれば、ぜひお越し下さい。
皆様のお役に立てるかもしれません。
ためしに、風邪を引いた時やおなかの調子が良くない場合、今回の新型コロナ感染症の陽性になった時などに
自分で、脈を見てみて下さい。
院 長