先日、NHKの番組でこんな情報がありましたので、お伝えします。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_575.html
慢性の腎臓病がある70代女性
体には、気を付けていたつもりなのに、最近、急に足のむくみがひどくなり、体調を
崩してしまいました。病院を受診したところ、鎮痛薬の飲みすぎで腎機能が
低下したのが原因ということが分かったそうです。
筑波大学 腎臓内科の山縣先生によると、薬剤性腎障害でしょうということでした。
薬は、胃腸や肝臓の働きで消化吸収され血液中に運ばれ、最終的に腎臓で処理され、
体から排出されます。
ですから、薬を多用しすぎると胃腸だけでなく、肝臓や腎臓も障害されてしまいます。
薬剤性腎障害の原因
鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs) 約25%
ロキソニン、アスピリン、バファリン、セレコックス、ボルタレンナイキサン
抗がん剤 約18%
抗菌剤 約17%
造影剤 約6%
鎮痛薬は痛みのもとになっているプロスタグランジンという物質を抑える作用があるが、
それとともに、腎臓の血流が低下したり、多量に使用することで尿路に薬が詰まってしまうこともある。
また、腎臓だけでなく全身の血流にも影響が広がる可能性もあります。
尿量が減り、むくみが起こり、食欲がなくなり、だるいなどの症状が起こる。
症状は、急性的にも、気づかないうちに慢性的にも起こりえます。
抗がん剤では、シスプラチンが白金(プラチナ)の化合物で直接腎臓に作用するため、
障害を受けやすい。
抗菌薬によるアレルギーや造影剤なども量によっては、障害を起こしてしまいます。
また、高血圧の薬でもARB、ACE阻害薬では、効きすぎると、血流が減少し、
高カリウム血症(血液のカリウム濃度が上がりすぎる)となってしまいます。
もちろん、痛みがきつく我慢できないような時には、鎮痛薬もいいですが、
あまり多用するのは、気を付けたほうがいいでしょう。
特に、高齢者の方は代謝も悪く、脱水もおこりやすく、血流も低下しやすいので、
こまめに吸収しやすい水分をとり、薬を減らせる工夫をしていったほうがいいでしょう。
手間暇かかりますが、はり灸で、安心してとれる痛みや辛さもあります。
東洋医学では、腎臓は腰と関係が深く、どちらも身体の最後の砦であり、要(かなめ)と
いわれています。 ぜひ、からだの声を聴いてみましょう。