不眠症とは、よく眠れないことで心身に不調をきたしたり、仕事に支障がでたり、生活に悪影響が及ぶ症状です。
今は、ネットで検索すると睡眠障害を専門的に診てくれる病院もあり、精神科や心療内科も不眠症に対応しているので、まずはためらわず受診してみるといいと思います。
原因がうつ病だったり、むずむず脚症候群や睡眠時無呼吸症候群だったり、別の病気が隠れている可能性もあるのです。
不眠症の診断基準は、
(1)なかなか寝付けない(入眠困難)
途中で何度も目が覚める(中途覚醒)
早朝に目が覚めてしまう(早朝覚醒)
(2)症状が週3回以上、3ヶ月以上続く状態
(3)不眠の症状によって、日中の生活に支障をきたしている
また、機械で活動量を計測し評価する場合もある。
治療法は、
生活改善、薬物療法、認知行動療法などが主です。
薬には、ベンゾジアゼピン受容体作動薬とメラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬があり、
前者は、昔から使われており、脳広範を鎮静させて眠気をもたらす、眠気を自覚しやすいことに加え、不安をやわらげたり、筋肉の緊張をほぐして肩こりをやわらげたりする作用もある。一方で、健忘、ふらつきなどの副作用や、長期使用に伴う依存性、服薬を中止する際の一時的な不眠症状の悪化(離脱症状)などに注意する必要がある。海外の研究では、この薬が転倒による骨折や認知機能低下リスクを高めるという報告もあり、とくに高齢者への投与は慎重に検討する。
後者は、比較的新しい薬で、オレキシン受容体拮抗薬は、脳の過剰な覚醒を抑えることで寝つきをよくし、眠りを維持する。メラトニン受容体作動薬は、概日リズムという、からだに備わる24時間周期のサイクルを調整することで、スムーズに眠れるようにする。「例えば、高齢者で寝つきの悪さに加えて中途覚醒や早朝覚醒がある場合などは、オレキシン受容体拮抗薬を選択することが多いです。一方、昼夜逆転など体内時計の乱れのせいで寝つきが悪い人にはメラトニン受容体作動薬を使用するなど、患者さんの症状や不眠の原因などにより治療薬を選択します」
・脳の機能を低下させる睡眠薬
(ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系・バルビツール酸系)
ベンゾジアゼピン系
超短時間型:ハルシオン
短時間型(レンドルミン・エバミール/ロラメット・リスミー・デパス・
サイレース/ロヒプノール)
中間型(ユーロジン・ベンザリン/ネルボン)
長時間型:ドラール
非ベンゾジアゼピン系
超短時間型(マイスリ―・アモバン・ルネスタ)
バルビツール酸系(ラボナ・イソミタール)
※バルビツール酸系は古いお薬で安全性が低く、使われることは稀。
・自然な眠気を強くする睡眠薬
オレキシン受容体拮抗薬・メラトニン受容体作動薬
メラトニン受容体作動薬:ロゼレム・メラトベル
オレキシン受容体拮抗薬:ベルソムラ・デエビゴ
ジェネリックで処方されている方は、以下を参照ください。
マイスリ―:ゾルピデム
アモバン:ゾピクロン
ルネスタ:エスゾピクロン
ハルシオン:トリアゾラム
レンドルミン:ブロチゾラム
エバミール/ロラメット:ロルメタゼパム
リスミー:リルマザホン
デパス:エチゾラム
サイレース/ロヒプノール:フルニトラゼパム
ユーロジン:エスタゾラム
ベンザリン/ネルボン:ニトラゼパム
ドラール:クアゼパム
この他にも、漢方薬やうつ病を伴っている場合には、抗うつ薬を使うこともあります。
これらのお薬は負のスパイラルを一端止めることであって、長く飲み続けなければならないものではなく、
本人が普段の生活で、睡眠について気にならないで済む状態になっていれば、薬を減らしていけるということを自覚して
もらう必要があります。
そして、薬以外にも多様なサポートが必要で、その一つに「はり灸」も取り入れてもらうと、とてもいいと思います。
参考までに、
なかなか眠るまでに時間がかかる方には、「神門」(しんもん)と「三陰交」(さんいんこう)というツボ
眠っても途中で目が覚めてしまう方には、「神門」(しんもん)と「復溜」(ふくりゅう)というツボ
早朝予定より早く目が覚めてしまう方には、「神門」(しんもん)と「復溜」(ふくりゅう)というツボ
とにかく誰にでもおためしのとん服的な、「失眠」(しつみん)と「関元」(かんげん)というツボ
あわせて、寝室にアロマを香らせましょう!
まずは、ラベンダーやオレンジスィートの香りがおすすめです。
ご相談は、お気軽に当院まで。
院 長